シネマがパラダイスだった頃
こんにちは。
言わずと知れた不朽の名作ですよね。
土曜日の夜中、アメバTVで放送されたいたものを見ました。(途中からでしたが・・・)
何年ぶりだったんだろう・・・
20数年前、一年間の浪人生活の最後に自分へのご褒美で、今はもうなくなってしまった梅田の小さな映画館へ観にいきました。
最後の受験が終わり一応進路も滑り止めは受かっていたんで、もう解放感でいっぱいでした。
そんなな中で観た「ニューシネマパラダイス」
もう、希望とやさしさと愛に満ち溢れた映画体験をして、それまで娯楽の一つとしてしか認識していなかった映画鑑賞を特別なものにしてくれました。
「映画は娯楽の王様」そんなのはもう自分たちが子供のころから言わなくなっていました。ただ、子供のころ親と一緒に行く春の「ドラえもん」、夏の「東映マンガ祭り」はなにか特別なイベントだったように思います。
姉が映画館あんま好きじゃなくて、映画行くときは、大体母親を独り占めできたんですよね。
その後、小学生高学年にもなると友達と街へ繰り出し一緒に観に行き、高校になれば好きな女の子とデートする口実に、、、やはり映画館って昔から特別な場所だったんだなァ〜
そんな映画館で結ばれた、老年の映写技師と彼を慕う少年の絆の物語。
彼らにとっても、特別であり、同時に日常であった映画館。
その中で彼らは、多くのことを学び体験し吸収し、時に失いながら、老年の技師はより年老いていき、少年は青年へ と時に身をゆだねていく。
そして青年は人生の大先輩の言葉を浴びて、生まれ育ったその街を旅立つ。
「振り向くな」「お前が懐かしくなって戻ってきても私は迎えない」「ノスタルジーに浸るな」「家族のことは忘れろ」
そして「自分のすることを愛するんだ」
旅立つ若者にこれだけ力強く、かけがえのない言葉を送れる人って、なかなかいませんよね。
きっとそれは、かつて青年だった老年映写技師のあるいはもう一つの失ってしまった未来を青年に力一杯託したのかもしれません。
そして、青年はこの言葉を胸の奥底に大切にしまって、、、故郷を旅立つ。
新たな日常の積み重ねは、青年をいつのまにか白髪混じりの紳士にして、そして皮肉にも老年の親友の葬儀に参加する為、彼は再び故郷に戻る。
そこは、小さくなり寂れた町。
でも確かにそこには映画館があって、自身の記憶もそこに根付いている。
映画館は、取り壊されるが、体験した記憶は決して消えることはなく、むしろありありとその場で大きくなっていく。
そして、親友から受け取った形見の中身には、、、、
映画史に残る美し過ぎるラストシーンですよね!
いつかの梅田の小さな映画館から日常を積み重ねて、いつの間にか自分も白髪混じりのおっさんになったし、あの映画館もとっくになくなっているけれど、あの時の気持ちとか、開放感にあふれた目の前の世界がとてもかけがえのないものだと思っていた、その想いはやはり今も一緒かな。
ただ、自分にはドラマチックなラストシーンは訪れてないけれど、、、、
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。